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「・・・ふぅ」
その日もその大きなため息で彼の一日は「終わり」を告げる。
暗い闇の中、
ただそこにある彼は眩しくて、
そこは終わった世界。
ただ終わりがあるだけの、始まることもない世界。
ーーー彼はそこで孤独に、独りで終焉を傍観していた。
ただ傍観するだけで、それいがいには何もない。
彼自身、終わりを傍観するものとして「終わった」。
彼は生まれたのではない、
終わって、ここに生まれ落ちた。
その小さくて、必然的な存在、
彼は始まりたかった、
思えばそれが彼の終わりだった。
終わった世界を光が包んで、
その世界は終わりを告げた。
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