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この国では、相次ぐ児童虐待や捨て子の多発などから
婚姻及び子作りは許可制になったのであった
子は親を選べないことに鑑みれば、当事者の自由意志のみに委ねるべきことではないのだ
結婚していい人間と結婚すべきでない人間がいる
我々、婚姻審査官はそれを見極め、判断を下す責任重大な仕事をしている
審査項目は、まず男の場合経済力は積極的審査事項となっている
厳格に審査すべき事項ということだ
経済力が弱い男では産まれてくる子どもは惨めな思いをしうる
そして素行や前科も積極的審査事項だ
ギャンブルや風俗や酒に溺れているような男はろくでもないのが多いし前科者もそうだ
そういう奴は、借金を抱えていたり、あるいは貯金0だったりと経済力も低いものだ
次の審査事項は持病だ これは準積極的審査事項だ
重い病気を患っていては不安だ
そして容姿も審査事項であるが、これは消極的審査事項である
つまりよほど酷い顔であったり、低身長でなければ心配はないということだ
女の場合、経済力は消極的審査事項である 莫大な借金がないかを調べる
素行、前科は男と同じく積極的審査事項だ
持病も男と同じく準積極的審査事項だ
容姿も男と同じく消極的審査事項である
ここから分かるように
男のほうが厳格な審査を用いられるということだ
それはなんだかんだいっても男が家庭を引っ張っていくのが普遍的なことだからだ
また男女ともに筆記試験が課せられる
筆記試験は択一式と論文式があり両方とも
育児、倫理、家事、保健についてがメインだ
クレペリン検査などの性格診断テストもかせられる
結婚する段階で既に両者に最低限の知識等が求められるのである
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