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ツキ
月を捕まえようと手を伸ばしても、当たり前のようにとどかなかった。
走ったって、飛んだって、とどきやしないんだ。
水に映った月を掬って、水を零していったら月が残ると思ったのに、
結局手には何も残らなかったよ。
どうすれば、捉まえられる?
僕の手の平から滑り落ちては、すぐに何処かへ行ってしまうんだ。
追いかけて、追いかけて、追いつけなくて、
一周まわって、はぐらかしては、また現れる。
キミは、僕のモノに為り得はしないしないんだね。
それでも、キミは僕が夜一人で寂しい時、いつも近くにいてくれるんだ。
大事な時に、いつも助けてもらってる。
例え手にはいらなくても、僕は月を嫌いになることはないんだよ。
そして、しかし、いつか必ずキミを手に入れる。
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