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瞬を抱っこし、
「風船、受け取って」
怖がりながらも瞬は風船を受け取って、
「……あーがとう」
受け取るとすぐに、顔を背けてしまった。
「良かったね」
「くましゃん…」
「クマさんだね。凄いね」
「あい」
瞬はクマの形になった風船を割らないように握りしめる。
「別な部屋に行ってみようか」
その部屋から離れて、別の部屋に移動した。
「ここはね、動物さんがいっぱい居るんだよ」
「いっぱい?」
「そう。いっぱい」
その部屋を楽しく見て回り奥の部屋に入ると、風船で遊べるスペースが現れる。
「瞬、風船で遊ぼう」
「あしょんで、いいの?」
「いいよ。一緒に遊ぼう」
薙に手を引かれながら、遊ぶスペースへと入って行く。
俺と唯斗は端に座って、遊んでいる姿を見守った。
「楽しそうですね。瞬君」
「あぁ。連中に遊んでもらってるからな」
連中は瞬を囲むようにして遊んでくれている。
「たくみ、ゆいと、みて!」
風船を二つ握り締めながら、ニコニコと笑って近付いて来た。
「ふうしぇん、いっぱい!」
そう言いながら、体を使っていっぱいを表現する。
俺達に風船を渡すと、また戻って行った。
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