未来へ

34/503
8455人が本棚に入れています
本棚に追加
/1155ページ
瞬を抱っこし、 「風船、受け取って」 怖がりながらも瞬は風船を受け取って、 「……あーがとう」 受け取るとすぐに、顔を背けてしまった。 「良かったね」 「くましゃん…」 「クマさんだね。凄いね」 「あい」 瞬はクマの形になった風船を割らないように握りしめる。 「別な部屋に行ってみようか」 その部屋から離れて、別の部屋に移動した。 「ここはね、動物さんがいっぱい居るんだよ」 「いっぱい?」 「そう。いっぱい」 その部屋を楽しく見て回り奥の部屋に入ると、風船で遊べるスペースが現れる。 「瞬、風船で遊ぼう」 「あしょんで、いいの?」 「いいよ。一緒に遊ぼう」 薙に手を引かれながら、遊ぶスペースへと入って行く。 俺と唯斗は端に座って、遊んでいる姿を見守った。 「楽しそうですね。瞬君」 「あぁ。連中に遊んでもらってるからな」 連中は瞬を囲むようにして遊んでくれている。 「たくみ、ゆいと、みて!」 風船を二つ握り締めながら、ニコニコと笑って近付いて来た。 「ふうしぇん、いっぱい!」 そう言いながら、体を使っていっぱいを表現する。 俺達に風船を渡すと、また戻って行った。
/1155ページ

最初のコメントを投稿しよう!