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「やっぱBランク以上の依頼は受けられないんだよな!?」
両腰の鞘に収まった剣、いわゆる双剣を差した一人の少年がカウンター越しに四十歳前後の男と話していた。
「あぁ、残念だけどBランク以上を受けられるのは特別資格が与えられた人だけだからね。ウォルト君」
ウォルトとはこの少年の名だ。
本名はウォルト・グラアディス、歳は十六とまだ若い。
ウォルト「特別資格たってそれを持ってるのは特殊能力者だけなんだろ!」
彼らが話しているのは仕事についてだった。
ウォルトは魔物を狩ったりなどの依頼を受け持つ仕事をしている。
そして、ウォルトは依頼を受けられるギルドに来ていたのだ。
「あぁ、たまに特例はあるらしいけど基本は特殊能力者だね」
ウォルト「なんとかならないのか?」
「そうは言われたって決まりだからね」
ウォルト「はぁ……決まりね」
「あはは、そんなに上のランクがしたいのかい?」
ウォルト「当たり前だろ。報酬が全然違うんだからさ!」
彼がやりたがるのも無理もない。
CランクとBランクでは一桁ほど成功報酬が違うのだ。
「そ、そう言われても無理なものはね」
「はぁ……わかりました。無理を言ってすみませんでした」
「いやいや、別に構わないよ。でもそんなに特別資格が欲しいなら特殊能力者を目指して見たらどうだい? ここから離れたところに特殊能力者や特殊能力者を目指す人達が通う学校があるらしいし、そこにいけば……」
ウォルト「そんなお金はありませんし、何よりも才能がありません」
「あぁ、そうだったね。特殊能力者になれるのは才能かあると判断された一部のものだからね」
ウォルト「そういうことです。それじゃあ、俺はこの依頼を受けるので……」
「あぁ、わかったよ」
ウォルトは依頼内容の書いた紙を手に持ち、ギルドから出ていった。
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