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もうプロとは呼べない接客で
話すことと言えば
「昨日の酒が残って二日酔いだぁ~」とか
下らない事だらけ。
・
その客の彼は
そんな私の下らない話に
相づちを打つものの
私には興味がないように思えた。
・
早く!このつまらない時間が過ぎ去る事を願い
終わったら友達と
ホストに飲みに行くこと
だけしか
考えてなかった。
だからその日も
いい加減な接客で終わった。
・
だけど、
彼は毎日電話をかけてきた。
二回目には
「タイプなんだ」と言った。
あんな無愛想だったくせに何言ってんだか。
・
第一。
私に声をかける言葉がそれ?
・
あぁ…
そうか、今の私は
そんなバカにまで声が
かけれるほどなんだ…と
思ったら
悲しくなった。
・
あるホストからの帰り
と言っても朝早くに
「家まで送らせて」と言われた。
いつもは
タクシーか友達の車で帰るから
足がないわけじゃないと
断ったのに
どうしても!と言うから
送ってもらう事にした。
・
彼は何を期待したのか、
知らないけど私は
送ってもらって
すぐに別れた。
・
それから何度か送ってもらった
ある夜
私は家にいた。
・
仕事のない、その日は
夕方から飲んで薬も
しこたま飲んで
ハイになっていた。
・
夜10時くらい
「どうしても今、会いたい」
と言われた。
・
正常な頭じゃない私は
それでも嫌だと断ったのにその日は違って
何度も頼む彼に10分なら
いいよと言って会った。
・
家から少し離れた場所に
車が停めてあって
歩いて行ったことまでは覚えてる。
・
目を覚ましたとき…
そこは私の部屋で
横には彼がいた。
・
「やった?」
「…うん、いいよって言ったから」
「私が?」
「…うん」
・
はぁ~
・
何なの私!
今までこんな事したこと
なかったのに!
罪悪感の何ものでもない。後悔と言う言葉すら浮かばない。
・
だけど
なんだろう…
・
この居心地のよさは?
なんか
気持ちいい…
・
やったことなんて
覚えてないけど
・
横に誰かが寝てることが
気持ちいい…
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