降と奈緒

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…だから俺らは親父を許さない だから"温井"という名字が イヤだったんだ ―親父と同じだから。 だから俺も…多分 泉も"青柳"と 名のっているのだろう。 青柳とは、母さんの旧姓だ。 親父「俺が なにをしたと言うのだ!!!」 奈緒「てめぇ…」 なにも わかってねぇのか… 奈緒「俺も…母さんも泉も!!! いままで どんなツライ思いをしながら生きてきたか 知らねぇくせに…」 降は──… 俺にとって 始めての友達だったんだ。 『よろしく奈緒くん!!!』 俺にとって降は親友とよべるくらいの仲だった。 降が 俺のことを支えてくれたから、俺も笑って生きていられた。 ま、数えきれない程の喧嘩をしたんだけどな。 泉だって… できたばっかの友達とか… 中には親友とよべる子もいたと思う… ―毎日 仲のいい仲間と過ごす こんな楽しい幸せな人生を… コイツに潰されたんだ―… 奈緒「世界はお前中心に回ってんじゃねぇんだ!!! 少しは周りの気持ちも考えろ!! そんなやつに… 泉や母さんのことをとやかく言われる筋合いはねぇ!!!」 ―バキッ コイツだけは許さない それくらい恨んでるんだ 俺はそう決めたんだ… 俺は何回も親父を殴った。 俺は まだ小学生という子供だったけど、力には誰よりも自信があった。 「奈緒やめろ!」 母さんの治療をしていた兄ちゃんで さえも 止めにかかるくらい 子供ながらに親父を殴った。 すげぇ手が痛い… ―カサッ 輝雷「──…ん?」 俺が兄ちゃんに 止められていると、 輝雷の傍に一枚の紙が落ちてきた。 輝雷「…なんだこれ…」      
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