降と奈緒

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そう言う降は少し切なげだった。 輝雷「……そうか」 降「じゃあ俺からの質問」 輝雷「ん?」 降「矢倉は何でそんなこと聞いたんだ? というか… 矢倉は優姫のこと好きなのか?」 ―ドキッ ん? なんだか胸が高鳴ったような気がした。 輝雷「俺が…聞いたのは、 俺と赤西が祭りに行くのを拒否ったから。 もう1つの質問は………」 ―俺は答えられなかった。 あ、 俺…… 輝雷「わかんねぇ」 この答えしか思い付かなかった。 降「―は?」 輝雷「わかんねぇんだよ… 自分自身の気持ちが…」 降「お前がわかんねぇんなら俺も知らねぇよ。 …お前じゃないから」 輝雷「………だ」 降「ん?」 輝雷「今まで豹雷牙と姫虎っていう立場だったから、そういう風に思ったことねぇんだ… いつの間にか話してて、 いつの間にか仲良くなってて、 いつの間にか赤西を助けてて、 いつの間にか…祭りに誘ったんだ。」 降「……お前…」 輝雷「"嫌いなんだろ?" って言われると… "はい"って答えれねぇ…」 降「―ッ!!!」 輝雷「"好きなんだろ?" って言われると… 赤西の笑顔が浮かんでくる… 思わず "はい"って 答えてしまいそうになるんだ…」 輝雷はそう言うと、 頭を抱えてしゃがみこんだ。 輝雷「俺のことなのに…わかんねぇんだよ」 降「お前… それは好きってことなんじゃねぇ?」 輝雷「…え?」
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