7月16日って何の日?

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俺は 家の近くの公園で ブランコに乗っていた。 「なぁ、変わって。」 それは突然で、 俺より大きくて、悲しそうな目をした 男の子が 俺の前にいた。 コイツが聖だった。 泉「…となり、空いてるよ」 俺は 隣のブランコを指差した。 聖「……そこがいいんだ」 普通の子供より、少し 大人びた口調の 聖は 俺を睨むとかはしなくて、 泣きそうな顔をして言った。 泉「おれは泉ってーの。おまえは?」 俺は いつの間にか自己紹介をしていた。 聖「…聖。早く、変わって。」 聖は 答えてくれたものの、俺の前を離れなかった。 泉「仕方ないなぁ。じゃあ、おれが となりの使うな。」 聖「さんきゅ……」 聖は…目を合わせてくれなかった。 このときの聖は ずっと、下を向いていた。 それを 不思議に思った俺は、思いきって聞いてみたんだ。 泉「ねぇ…おまえさ、何で下ばっかり見てんの? 下見るの…楽しい?」 聖は黙ってコクリと頷いた。 泉「嘘だぁ!!上向いてる方が楽しいぞ! 明るいし、きれいな青い空も見れるし!」 俺が 聖の顔を覗き込んで言うと、 聖「……そうなんだ」 と言ったがまだ俯いたままだった。 俺は、腹が立ったのかな? ブランコを降りて 聖の前に仁王立ちして言ったんだ。 泉「こっち見ろよ!聖!」   
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