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親父「……あぁ゙? いねぇのかックソガキ!」
「「――ッ!!」」
「ぅわっ……怖……」
家に入ってきた父親。
広い廊下に響く 怒鳴り声に、泉は反射的に肩をすくめ、小声で呟く。
父親の暴言を聞き、優姫と聖は震える。いくら総長と言ってもまだ子供。
族の中では 強い方かもしれないが、怖いものは怖い。
震えてた優姫だが、何かを決心し、聖を 泉の入っている押し入れに入れようとした。
泉「――はっ!?」
聖「何すっ……」
優姫「……聖はここで待ってろ。泉と一緒に隠れてろ。あたしが何とかしてくる。絶対に音は たてんなよ?」
聖「何とかって……。 ……また、また殴られるかも知れねぇんだぞ!? 優姫が 黙って殴られるのなんて、見たくねぇよ……」
この頃の 二人の父親は暴力が凄まじかった。ストレスが溜まったら二人に暴力。
父親にとって、二人の存在はストレス解消のオモチャでしかなかった。
聖を守ろうと、族に入り一方的に暴力を受けているのは ほとんど優姫。
だが、抵抗もせず 黙って涙を流しながら殴られる優姫を見るのも、聖にとって凄く辛いものだった。
優姫「……分かってくれ」
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