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レーザー通信で開かれた相手は、巨躯で、一言で言うなら“いかつい男”だった。
彼の名はドズル・ザビ。
ジオン公国王デギン・ソド・ザビの三男で、宇宙攻撃軍を指揮する男である。
『ご苦労だな、レイアード中尉。』
「っは!閣下につきましては、ご機嫌うるわしく・・・」
『前置きはいい。実はな、赤い彗星から打診があったのだ。』
「シャア・アズナブル中尉、いや少佐ですか?」
『そうだ。戦艦5隻越えのシャアがな、連邦のV作戦の尻尾を掴んだのだと。』
「V作戦?」
ツキヒロが初耳の単語を聞き返すと、隣の艦長が答えた。
「連邦のレビルがしている小賢しい作戦、というのは私も聞いているが・・・」
「どのような作戦なのです?」
ツキヒロが聞くと、ドズルもあまり詳しくは知らないようで、概要だけを説明した。
『どうやら、連邦もモビルスーツの開発に成功したらしい。』
「連邦が?所詮、二番煎じでは?」
『それがな。シャアが敵のモビルスーツ1機にザクを5機も失ったそうだ。』
「まさか!ご冗談でしょう?ザク以上のモビルスーツを開発したとでも?」
連邦のモビルスーツ開発はジオンに大きく遅れをとっていた。
多くの人がそう感じたように、ツキヒロもまたシャアの失態なのではと考えた。
『わからん。だが、な。シャアが補給を欲しがっているのには違いない。』
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