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「なるほど。それで木馬・・・か。」
ツキヒロが言った言葉にシャアは笑って応えたが、他の面々はよくわからない顔をした。
トロイの木馬などという話は、旧世紀のおとぎ話でしかなく、むしろ宇宙移民者にとっては聞いたこともないのが普通である。
内心、ツキヒロはシャアに舌を巻いていた。
歴史によく精通しているのだと感じたからだけではない。
大気圏突入直前を叩く作戦といい、常識に捕われないで効果的な作戦を組み立てる。
ただのラッキーで戦果を上げてきた訳ではなかったのだということを、まざまざと見せ付けられている気分になった。
「木馬への攻撃は私とクラウンらで行う。ツキヒロらは、念の為サラミスを頼む。仮にサラミスにモビルスーツが積んであれば、必ず出てくるはずだ。」
「了解。」
全員が応じ、視線を前へ向ける。
「各員、高度には十分気をつけろ。無理はするな。では、解散。」
ブリーフィングルームを出たところで、レスティが話し掛けてきた。
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