序章

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高校が受かったと同時に叔父には1人暮らしをすると伝えた。 叔父は寂しそうな顔をしたが、一冊の通帳をそっと渡してくれた。 それは両親の残した遺産を預けていた通帳だった。 それを李桜に、お前のものだから大事に使いなさいと、手に握らせた。 アパートは叔父と一緒に探し、敷金礼金などは全て叔父が払った。家具や電化製品などいるもの全てもだ。 李桜は通帳のお金があるからと断ったが、入学祝いだと言って譲らなかった。 それからは叔父とはたまに電話をしたりしている。 今まで暮らした親戚の中で唯一連絡を取ってる相手だ。 まぁ自分で言うのもなんだが、よくグレずにいたよな…とは思う。 ただ、たぶんそんな生活環境のせいで人付き合いが苦手なのかも…とは最近感じる。
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