2112人が本棚に入れています
本棚に追加
/529ページ
「あれ?こんなとこに道なんてあったか?」
眠くてぼーっとなっている頭でうつらうつらと記憶を過去に戻し、物思いにふけっていたら、いつもは目に入らない細い砂利道を見つけた。
高校になってから3年間毎日通っていた道だったが、こんなとこに脇道があるなんて気が付かなかった。
驚いたように呟く李桜の目線の先には、雑木林にひっそりと隠れるように、細い砂利道が横手に見えた。
李桜の性格上、例え道が見つかろうが、眠気を優先するのだが、先ほどまで過去を思い出して少し感傷的になっていたせいか、珍しくついつい砂利道に足が向いてしまった。
人1人がやっと通れるくらいの細い道を、李桜は恐る恐る歩いていく。
周りの景色はさすがに薄暗く、なにか出てもおかしくはない雰囲気だ。
だが、この道がどこにつながっているのか気になった李桜は、ビビる自分を奮い起こし、足早に先を急いだ。
最初のコメントを投稿しよう!