序章

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「あれ?こんなとこに道なんてあったか?」 眠くてぼーっとなっている頭でうつらうつらと記憶を過去に戻し、物思いにふけっていたら、いつもは目に入らない細い砂利道を見つけた。 高校になってから3年間毎日通っていた道だったが、こんなとこに脇道があるなんて気が付かなかった。 驚いたように呟く李桜の目線の先には、雑木林にひっそりと隠れるように、細い砂利道が横手に見えた。 李桜の性格上、例え道が見つかろうが、眠気を優先するのだが、先ほどまで過去を思い出して少し感傷的になっていたせいか、珍しくついつい砂利道に足が向いてしまった。 人1人がやっと通れるくらいの細い道を、李桜は恐る恐る歩いていく。 周りの景色はさすがに薄暗く、なにか出てもおかしくはない雰囲気だ。 だが、この道がどこにつながっているのか気になった李桜は、ビビる自分を奮い起こし、足早に先を急いだ。
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