プロローグ

2/3
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/113ページ
俺は、 小説を書いていた。 この数日間にあった殺し合いを、出来るだけ詳しく書くには小説が一番書きやすかったからだ。 実際、何人の人が信じてくれるかなんて分かりやしない。 もしかしたら、読まれるどころか、俺もこの小説も発見すらされないかもしれない。 でも、それでも俺は書かなければいけない気がした。 なんたって、俺はきっと長くない。 飯だけが楽しみだった人間が、もう丸二日も水も食料も口にしてないんだから当たり前だ。 死なないとしても、いつまでも正気を保ってられないだろう。
/113ページ

最初のコメントを投稿しよう!