・5月26日(月)【あと67日】

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ジッポから出るオイルの匂いが二人の周りに一瞬立ち込めたが、それはすぐにタールとニコチンを含んだ重たい煙の匂いに変わっていた。 東藤は辺りの薄暗い中、タバコの先をオレンジ色に光らせ、何かを考えているようだった。 『………。』 『あれ?東藤さん。』 『あぁ?』 『その左手のは……。』 『ふっ……。』 ニヤッとして見せた東藤。 『さすが東藤さんス! そう言えば鷹志さんは何と……?』 『おう。ワシら無事だったのを聞いて、喜んでやがった。 どこまでもお人好しな男だな……。』 と口ではそう言う東藤だが、顔はどこか嬉しそうな誇らしげな顔をしているように見えた。 『東藤さん、明日も鷹志さん達の調査の手伝いをするんスか?』 東藤の顔がオレンジ色の光に照らされ、その後すぐに白い煙幕に隠された。 そして再びマンションの街灯に照らされた東藤は口を開く。 『明日はワシらは、充の所に行こうと思っている。』 『充の所ッスか?』 『おう。今回ワシらの協力をしてもらった代わりに、明日手伝ってほしい事があると頼まれた。 それに奴とは話しておきたい事があるしな。 鷹志にはもう伝えてある。 次にあいつらと会うのは、明後日の寺に行く時になるな。』 『へい!!』
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