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『冴場の奴、無事にポリ公を撒いて、こっちに向かっているようですぜ。』
『そうか!まぁヤツほどのテクニックがあれば、楽に逃げきれるだろううとは思っていたがな。』
冴場を高く評価している東藤。
しかし東藤は、こうも知っていた。
白バイ隊の警官はバイクを乗りこなす為に、どれだけたくさんの練習量をこなしているかという事を……。
まるで自分の体のように、バイクを操る事の出来る白バイ隊員。
しかしそれと同時に冴場の事も分かっているつもりだ。
冴場は何でも器用にこなし、サラブレッド……言わば天才的な何かを持っているのだ。
底知れぬ秘めた能力を持っている事を東藤は知っていた。
だからこそ、あの時冴場に任せたのだ。
葛野はそんな東藤に、こう答えた。
『東藤さん……実は冴場を追っていたポリ公が、交差点で車と事故ったそうですぜ。
それで楽に逃げれたと……。』
『事故った、か……そうか。奴は運も兼ね備えているのかもしれんな……。』
と言いながら東藤は、ポケットからタバコを取り出し火を付けた。
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