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季節は春。場所はとある大学内である。
ポカポカと日に日に日中の暖かさが見えてきた昼休みの一時。
一人の男が息を切らしながら、長い廊下を走っていた。
目より少し長めの茶髪をなびかせ走る男性。
汗を流しながら走る男性の顔は、どことなく嬉しそうな感じに見える。
男性はある部屋の前に立ち止まり、一呼吸してからドアを開けた。
バンッ!!
思ったより大きな音が出てしまい、中にいた数人の学生達が後ろを振り返る。
男はそんな視線も構わずに、ある男性目掛けて歩いていった。そして座っている彼の前に立ち、こう言ったのだ。
『光一!!やったぞ!!やっと認可されたぞっ!』
この嬉しそうな声を出しながら、椅子に座る男を見つめる男。
彼の名は【幸村 鷹志(ゆきむら たかし)】だ。
19歳、大学二年生。
髪は茶髪で経済学を専攻している。中肉中背(ちゅうにくちゅうぜい)、身長170センチと、平均的な身長の彼。
頼れるみんなのリーダー的な存在の男だ。
椅子に座っているメガネをかけた男からは
『やったね!』
と一言、声が聞こえた。
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