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真琴が出ていって少しすると、片割れも立ち上がり赤く腫れた頬を撫でながら、私の方を見た。
床と仲良くしていた頬の赤さがかなり痛々しかった。
悠「さて、真面目に挨拶するかな。私は神楽崎 悠(カグラザキ ハルカ)、さっきの真琴の兄だ」
葵「あなたが私の引き取り手なんですか?」
神楽崎…どこかしらで聞いたことがあるような名前だったけど、いまいち思い出せない。
それより、目の前の人が私の引き取り手だと思うと、そちらばかりに思考が占領されてしまう。
悠「ごめんね、真琴の奴は異性が苦手だから、ああ言ってたけど僕は妻子持ちだし、お父様の遺言で独り身の方が引き取ることになってるんだ」
葵「遺言…?」
悠「まぁ…色々とね」
言葉を濁す悠さんにそれ以上の言及はしなかった。
悠さんは真琴に似てカッコ良く、綺麗な黒髪とスラッとした身長に少し年を感じさせる顔、真琴よりはダンディーな感じの格好良さがあった。
悠「君がどうしても嫌なら、高校卒業まで僕の家で面倒見ても良いけど…」
葵「………………」
悠「…まぁ、いきなり言われても困ると思うから、とりあえず今日はこの家に泊まって、明日にでも僕と真琴と三人で話し合おうか」
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