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「だったら尚更ワシの頼み事は受け入れるべきだ。オウムの些細な頼みを断るようじゃ、天国なんて夢のまた夢だ」
「そうかもしれないな」
「あぁそうだとも、最後に現世で褒められたことをしておくのも冥土の土産になるぞ」
男はほとんど悩まなかった。ほんの少し背筋を縮め、上半身を反らした。胸元の衿を広げて懐への道を開いた。
「隠れるなら勝手してくれ。僕はこのまま眠り、土に帰る」
「そうかい、ありがとうよ」
オウムは笑い声を抑えながら、男の懐へと隠れた。
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