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「俺はどうすりゃいいんだよ!?」
「心配すんな!
ひとつ、良いことを教えといてやる。
お前は最強だ。少なくとも、俺が知っている限りでは「上」にも「こっちの世界」にも、お前に勝てる奴はいねぇ。
剣術、体術、魔術、そして才能!
人間にも「魔物」の中にも、お前に勝てる奴なんかいやしねぇ!
だから…!」
「アクセル!」
男が懸命に話していると、不意に男の真横に等身大の闇が現れ、中から同じコートを着た男が現れた。
「やばっ!」
アクセルと呼ばれた男は、一瞬たじろぎ、2・3歩退がった。
「アクセル、それ以上のリリーフは無用だ!」
そう言って、男はアクセルの腕を荒々しく掴み、無理やり闇の中に連れ込もうとした。
不意に、ロクサスの口が無意識に動いた。
「アクセル!」
ロクサス自身、気づかない内に、アクセルの名を叫んでいたのだ。
「…ロクサス!」
現れた男に引っ張られ、闇の中に入りながらも、アクセルは抵抗しながらロクサスに向かって叫んだ。
「ロクサス、よく聞け!
きっと…
きっと迎えにくるから…」
なにかを叫んでいたが、それ以上は闇に取り込まれて聞き取れなかった。
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