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高家が動いた。
銃弾も砲弾も無視で歩き出した。
三椚が崖を崩すように命じた。
正規軍の砲弾に岩山は崩れ、高家に直撃した。
しかし高家は自分を埋めた岩石を払いのけてまた歩き出した。
「やべーな……何も効かねーぞ。」
この先には天会議事局がある。
高家の足は真っ直ぐにそこに向かっていた。
しかしその高家を止める術が見当たらない……
「涼、親父さんは戻ったか?」
「裕太、私だ。」
無線機の声が親父さんに代わった。
「親父さん?俺の力が使えねーんだっ!」
体の芯が熱くならない。
「おまえは本来ならまだ入院中の身だ……仕方ないだろう。」
確かにまだ体中痛い所だらけだが気力は落ちてはいない。
「何だよ……俺って結構デリケートにできてんだな。」
「意外だがな。」
高家は天会議事局エリアに入った。
防衛軍も地獄の正規軍も見守るしかなかった。
高家に目的があるとは思えないがその狂気に満ちた本能が破壊と殺戮を繰り返しているんだろう。
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