決断

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「親父さん、局員は避難したんだろうな?」 高家は議事局の周りを固めたバリケードを突破した。 「大丈夫だ、誰も残ってはいない。」 高家は一直線に進んだ。 ブルドーザーが通り抜けたように天会議事局の真ん中に一本のでかい溝ができた。 人間の気配を感じなかったのか高家はそのまま通り過ぎた。 「涼っ!この怪物は次にどこを狙ってんだ?」 無線機から最も聞きたくない名前が飛び出した。 「女神宮ですっ!レイさんがっ!」 天国で最も神聖な地だ。 俺たちの魂は女神がいるからこれほど穏やかでいられる。 女神宮で一番偉い現役の女神様はレイの母親だ。 現役を退いた女神様たちは基本的には天離院という場所にいる……あの天老院のじじいが普段いる天離宮の近くだ。 俺はまだどこにも行った事がない。 行く用事がなかったからだが、まさかこんな事で女神宮へ行くとは思わなかった……
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