決断

6/13
前へ
/242ページ
次へ
高家が射程距離に入ると一斉攻撃が始まった。 周辺の建物も道路も粉々に撃ち砕かれた。 地獄の正規軍によるナパーム弾攻撃、そして天国最大のミサイルは高家ごと地面をえぐり取ったように見えた。 しかし…… 高家は立っていた。 じわじわと女神宮に迫って来た。 「結界か?」 地獄で初めて高家に会った時、キャシーの攻撃を跳ね返したのを思い出した。 あの時は撃った弾丸をそのまま返された。 しかし今回はそれとは違う、ミサイルもナパームもまるで眼中にないような余裕を感じ取れる。 「防衛軍っ!退けっ!……あんたたちも退いてくれ、無駄死にさせるな。」 俺は三椚に告げた。 「奴には弱点がないのか……」 三椚も呆然と高家を見ていた。 俺は女神宮に入った。 一際目立つ場所に庭園があった。 普段なら優雅に女神や天使たちが過ごす場所なんだろう…… そこに7人の女神が集結していた。 ひざまずき両手を合わせて祈っている。 その中にレイを見つけた。 今、声をかけるわけにはいかない。
/242ページ

最初のコメントを投稿しよう!

493人が本棚に入れています
本棚に追加