493人が本棚に入れています
本棚に追加
大河に指示を出し、レイを抱き上げた。
「裕太くん……」
レイは疲れきった様子だった。
「頑張ったな……レイ。」
「ごめんね……」
俺はレイを抱きしめた。
「裕太くん……女神宮……ダメかな……」
俺はレイの問いかけに言葉を詰まらせた。
このままでは女神宮はおろか天国が全滅してしまう……
高家が女神宮の庭園に入って来た。
急に、それまでただ真っ直ぐに歩いていた高家の足が止まった。
上空……女神宮神殿の上を見上げている。
「何の音だ?」
この音は……
「リーダーっ!」
聞き覚えのある声が爆音と共にかすかに聞こえた。
神殿の屋根の向こうから諜報部のヘリコプターが飛んで来た。
「里沙?……キャシー?」
女神宮の中庭にヘリは着陸した。
高家は止まったままでそれを見ていた。
「リーダーっ!お待たせっ!」
里沙の言葉に続いてキャシーが機内からロケットランチャーを取り出して片膝をついて構えた。
「高家……」
キャシーは照準を合わせると無言で引き金を引いた。
「消滅弾ですっ!」
里沙の言葉と同時に消滅弾が高家に着弾した。
最初のコメントを投稿しよう!