決断

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「私が地獄で自分の軍隊を作り始めたのを竹井……おまえの父親は気づいた……それまで全面的に私を信頼していただけにその驚きは見ものだったぞ……」 高家は卑屈に笑っていた。 「私も邪魔されたくはなかったからな……竹井宛てにプレゼントを送らせてもらった……何だかわかるか?」 キャシーはただ黙って聞いていた。 「親子3人で住む家に私が育てた狂気を送ってやったんだ……残念ながら竹井の娘、おまえは留守だったがな。」 キャシーが立ち上がった。 「父さんも母さんもおまえが送ってきた狂気に犯されながら必死に自分と闘った……最後の最後まで自分を棄てずに……自決したんだ。」 キャシーの目が怒りに満ちていた。 「その目だ……それを待っていたぞ……」 何っ? 信じられないスピードで高家は動きキャシーを捕まえた。 「くっ……」 高家は自分の顔の前にキャシーを持ち上げた。 「憎いか……私が憎いだろう……おまえの両親を殺したのは……この私だからな。」
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