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レイが両手を合わせ祈り始めると、一部始終を見ていた他の女神たちもそれに習い両手を合わせた。
光がキャシーの体を包み、ゆっくりと俺の前に運んだ。
「キャシー……」
「リーダーっ!あれをっ!」
里沙の叫びに視線をキャシーから移すとそこには高家が人間の姿で立っていた。
「高家……」
俺はキャシーの腰から拳銃を抜いた。
「神坂……私は間違っていたのか?私はどこの国と戦っても絶対に負けない強い軍隊が欲しかっただけだ……強い軍隊さえあれば戦争も起こらない……理想の国家ができる……」
俺は里沙を見た。
「里沙……この弾は何だ?」
里沙の声は少し震えていた。
「消滅弾……です。」
「そっか……」
俺は銃を持って高家に近づいた。
「神坂っ!私を撃つのか?私のせいじゃないっ!全ては狂気だっ!狂気のせいだっ!」
「なあ、高家……誰でも心のどこかにその狂気ってのが潜んでいるかも知れねー……でもな、それが表に出るかどうかは本人次第じゃねーのか?」
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