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「神坂っ!おまえは知らないっ!あの戦争で私がどんな悲惨な目に会ったのかをっ!戦争は人を変えるっ!戦争が人に与えるのは狂気だけ……」
高家の言葉が途中で終わったのは俺がその頭を撃ち抜いたからだ……
「高家……あんたの戦争はこれで完全に終わりだ……」
俺たちのじいさんやばあさんの世代が戦争で学んだ事はそんな事じゃない。
平和の尊さだ。
俺もこの戦いで改めて思い知らされた。
命の重さは計りようがない。
高家によって殺された人たち……
高家に利用されて磔にまでされた人たち……
防衛軍や地獄の正規軍として消えていった人たち……
命の数だけの長いドラマがあったのに完結しないままで終わっちまった。
俺は空を見上げたままで涙を流した。
たまらなく悔しくて悲しかった。
なんで人間同士が殺し合わなければいけねーんだ……
戦争なんて……
いつの間にか俺の後ろにはレイが立っていた。
レイも泣いていた。
俺は銃を捨て、黙ってレイを抱きしめた。
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