幼き頃の日々

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そこには三つの小さくて、触れれば壊れてしまいそうな、儚い命があった。 「おぉ…、この子達が…。」 「えぇ、その子達が私達の子ですよ。」 赤子ベッドには、産まれたばかりの三人の赤子が、幸せそうに寝ていた。 「それで、どの子が長男なんだ。」 ガルバの言葉を聞いて、ミリアは少し哀<カナ>しそうな顔をするが、すぐに“仕方ない”と、自分に言い聞かせて口を開いた。 「……お医者様が、左から長女、長男、次女と、おっしゃられていたわ。」 「そうか!この子が……。」 ガルバは言葉とともに、真ん中にいる銀髪の赤子を抱き抱えた。 なぜミリアが仕方ないと思ったのか、その理由はセルレイアース家は代々長男が当主であったためである。 「この子が30代目か、うんうん、わたしの銀髪を継いだか♪」 ガルバはそう言うなり、抱き抱えた赤子の少ししかない髪をかきあげる様に撫でながら、ニコニコしていた。
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