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心地良い潮風に、僕の髪がなびいている。
現実はと言うと、強すぎる波風で、ぐちゃぐちゃになってしまっているのだが…
そんな事は、今の僕には関係ない。
僕の名前は、三宮 綉萩(サンノミヤ ツバキ)。
華京院グループの平社員です。
そんな僕は、数週間前に豪華客船クルーズの切符を手にした。
しかし!!
豪華絢爛なバケーションを夢見ていたが、たった今、その夢が崩壊したところだ。
今乗っている、豪華客船に乗せていただいたのは、偶然…いや、不幸にも、僕が社長直々の命令を頂いたからだ。
内容としては、社長の機嫌を取るだけで、さほど難しくない業務のはずだった。
親愛なる華京院グループの社長は、華京院 司(カキョウイン ツカサ)様である。
僕は、彼を尊敬していたのだ。
つい先程までは。
僕は今、非常に逃げ出したい。
ここが海のど真ん中でさえなかったら!!
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