屋上で出会った少年…

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憧れの教職につき、母校で…そして初めての新人なのに担任を任せられた。 それを凄く最初は喜んでいたのだ。 しかし…それは最初だけ… 憧れの先生という夢を打ち砕くように現実は辛いものだった。しかも新人だからクラスメイトに舐められていたのだ… 「せーんせっ、ふぅ~」 「ひゃあっ」 「ぶはははは!ひゃあっ、だって」 「そりゃいきなり後ろから息吹きかけたらそうだろ」 「いやだからってひゃあっ、はないだろ。先生って感じやすいんだな」 「お…大人をからかうものじゃありません」 「はいはーい」 授業中だというのに… 黒板に問題を書いている最中に足音たてずに後ろから息吹きかける男子生徒に私、市橋綾音(いちはしあやね)は後ろ首を押さえながら怒った。 しかし女の私じゃ男子生徒に怒っても怖くみえないのだろう… むしろからかわれている。 そしてそんな私を女子達が白い目でみてわざとらしく大きな声でいった。 「これだからぁ~新人教師って嫌なのよね~」 「おばさんのくせに若作りしてるし、可愛い子ぶってマジうざい」 若作りって…私はまだ24です。それに可愛い子ぶってなんかいません。 でもそう言っても言い訳だと言われるだろう。 「新人でしかも女教師だから男子達は珍しがってるだけなのまだわからないの~?」 「すぐに飽きてあんたなんか忘れ去られるのがオチ」 「あんたみたいな下手な授業を教えて男受けいい女教師の授業なんか私ら聞かないから」 「つか存在自体邪魔」 「よく教師なったよね」 「きゃははは」 「っ……」 クラスの担任を持つというのは覚悟がいる事。まして高校生を相手にだ。 思春期の彼ら達を新人である私が担任なんて……皆が認めないのもわかる。 まだ副担任ならマシかもしれない。 初めての教師で担任を受け持つ事に最初は嬉しくてこんなのめったにないと思って承諾したけど今じゃ毎日がきつい… 後悔している。 何いっても皆は聞く耳持たないし馬鹿にするしからかうし… 教師をなんだと思ってるのよ。 毎日夜遅くまでクラスの事…学校の事…問題を作ったり、どうすれば理解しやすく教えられるかを考えたりしているのに…
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