The Last Bet,For you

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‥‥冗談じゃない。 アノ人に会うために、今日の友達とのクリスマスパーティーだって断ったのに。 聖夜と言われる今夜、会いに来たのに。 だけど意気込みに反して、パソコンから目を離したお姉さんは困ったように笑った。 「‥‥うん、残念だけど、授業は入ってないわね」 「‥‥そうですか‥‥、」 「ごめんね。律ちゃん、北見先生と仲良いもんね」 「‥‥えと、英語、あの人の講座で‥‥、」 「あ、なるほどねー。 北見先生、気さくな人だしね」 「‥‥とりあえず、勉強してます。五時まで大丈夫なんですよね?」 「うん。でも、たまには早めに帰ってあげたら?律ちゃん、よく籠ってるじゃない」 「‥‥はい」 生返事を返して、お姉さんに背中を向ける。 ―――――――ウソツキ。 今日だけは、側にいてくれるって、そう約束、したのに。 .
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