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北見先生は、自分の授業の最初に、先生お手製の十点満点の小テストをやらせる。
合格点は毎回まちまちだったけど、少なくとも予習復習をしっかりしないと、解けない。
『今日のは簡単だからなー、合格点は七点。はい、スタート』
先生の合図と同時に、カリカリとシャーペンが紙の上を滑る音がする。
私もテストを見て、問題を確認した。‥‥うん、確かに簡単。
頷きながら、私もシャーペンを手に取り。
‥‥正解数を六問に押さえて、シャーペンを置いた。
今日の問題は、割と簡単。
そして先生は合格点が六点を越える時限定で、ランダムに居残りを決める。
(それ以外の時は次回までにどっさりと宿題を出される)
それが発表されるのは丸付けが終わった後だし、居残りじゃない時の罰が大変だから、先生狙いの女の子も勉強を頑張る。
そう、勘が外れれば、大変だけど。
私は、自分の勘にかけ、そして。
『‥‥合格してないのは、三人か。
河村、櫻井、横田。今日最終授業終わったら、この教室に集合な。で、再テストだ』
――――あの瞬間、嬉しさが身体中に染み渡った。
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