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さらに真っ直ぐ俺を見つめて、恭一は勢いあまったのか、俺の腕をつかむ。
「ヨウは凜ちゃんが好きなの。
気づいてるとは思うけど、ヨウは凜ちゃんじゃなきゃだめなんだ。
凜ちゃんのためを思って別れたなら…
次は自分のために戻れるようにすればいいじゃない。
充分苦しんだよ…ヨウは…」
なぜか半泣きになりながら言う恭一。
ほんとにこいつ28か?
…可愛いやつ。
俺は笑みを浮かべて、恭一の頭をなでる。
「…凜と10年振りに会って話した時に…
恭一の言う通り我慢できなくて。
俺、抱きしめたんだ。
そしたら何か…
もうこいつの気持ちとか無視してこのまま連れ去ったろうかとか考えてさ。
あぁ…
俺、限界だったんだなーって思ったよ。
…でも凜は…
ごめんって言ったんだ」
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