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気が付くとそこは荒野だった。見下ろしている自分と、それを見上げる自分。悲しげに見上げている自分をこれ以上見ていることは出来なかった。
何度も自分の下に行こうとしたけど、手足が動かなかった。そして自分の後ろには死体の山。原形を留めていなかったり、外傷も無く死んでいたり様々だった。けれども一目でわかった。
彼女達は自分が愛した、最愛の者達だった。それを悲しげにかつ、嬉しそうに眺める自分がいた。いつまでも、只々それを眺め続ける自分を傍観するだけだった。
『お前はこんな結末を辿るな』
誰に向けた言葉かわからない言葉を聞いて俺の意識は途絶えた。
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