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まぁ、隋楠につぐ大国の1つの斗玻がいきなり皇女を継がせるだなんて、怪しまれても仕方ないな。
篶歌は三人の顔をまじまじと見つめ、小さな不安が現れた。
「さて、出発はいつになさりますか?」
「斗玻王陛下のお許しが出れば、明日にでも出発を考えております」
「明日ですと?」
さすがに翁潤も予想はしていなかった返答に、少々考えこむ。
ちらりと篶歌を見ると、顎に手をやりまた考える。
「……よし。では出発は明日にしよう」
「ありがとうございます」
「長旅で疲れた体を休まれよ」
大臣達は深々と頭を下げると、踵を返して案内された部屋へと移って行った。
「なぜ、大臣方は出発を急がれるんだ?」
「ふむ、きっと斗玻の内情など、知る必要もないのだろう」
お前も準備なさい、と翁潤は篶歌に言うと、解散を命令した。
広間を出た篶歌はまだ出発の挨拶をしていない人物がいた事に気が付いた。
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