〇、政略結婚

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  そう。嫌ってなどいない。 ただ、幼子が新しく来た母親に嬉しそうに笑った事が、意外で仕方なかった。 沸々と沸き上がるこの嬉しさは? だから余計、二人にどんな態度で接するか分からなかった。 「さぁ、まだやる事がありましょう。もう行きなされ」 琥蓮は篶歌の手を離すと、篶歌の背をとん、と押す。 篶歌は笑いながら軽く頭を下げ、部屋を後にした。 「篶歌殿」 ふと、名を呼ばれ、篶歌は振り返った。 すると、トゥクラとクヌムが近づいてきた。 トゥクラはにこやかに頭を下げ、クヌムは媚を売る様なトゥクラの態度に苦笑しながら頭を下げた。 「出発の用意はできましたか?」 「はい、以前から準備はしていたので」 「それは良かったです。我が王が篶歌殿の到着をお待ちですので、失礼ながら急がしていただきました」
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