〇、政略結婚

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  「今はどこにいる?」 「篶歌様のお部屋に」 「わかった。では申し訳ありませんが、失礼します」 ぺこりと頭を下げると篶歌は急いで自室に向かった。 その後ろ姿を朱麗が見届ける。 「あなたは篶歌殿の侍女ですか?」 「篶歌様の医者として隋楠に参ります、朱麗と申します」 淡々と朱麗は挨拶を交わす。 トゥクラは顎に手をあて、考える様に朱麗を見つめる。 「……何か?」 「いえ、丁度良い具合にあなたが来たので…」 「お話中に申し訳ないと思ったのですが、梦玉様と李門様の事もありましたので」 それだけ言うと、朱麗は二人に頭を下げ、篶歌の部屋に向かった。 その後ろ姿をトゥクラは眉を寄せて見つめる。 「意外と目敏いな、あの侍女」 苦笑気味にクヌムが口を開くと、さも不服そうな表情に変わったトゥクラはクヌムをじとりと睨む。 「かなり目敏いですね。彼女は我々が篶歌殿から聞き出そうとした時にやってきた」
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