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篶歌は断固認めず、という態度で父親である斗玻(ドゥーバ)国王、翁潤(オウジュン)を睨み付ける。
事の発端は一時間程前だろうか。
『一緒に食事をしよう』
そう翁潤に誘われ、のこのこと従った自分は阿呆だ。
敷き詰める様に並べられた料理を挟み、向かい合わせに座った翁潤(オウジュン)は不気味な程、にこやかに笑っていた。
『食事を始める前に、話すべき事がある』
そう話を切り出してきた翁潤は酒の入った杯(サカズキ)を手に取り、ゆっくりと杯を回す。
どうやって話すべきか、迷っているのだろうか。
やがて杯を回す手を止めると、にこやかに笑って篶歌(エンカ)を見つめる。
『……篶歌、遊戯(ゲーム)をしよう。お前が負けたら、隋楠に嫁いでほしい』
笑ってはいるが、瞳は真剣そのもの。
こうして政略結婚をかけた遊戯が始まった。
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