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遊戯の内容は簡単。目の前にある料理を食べなければ良いのだ。
そして遊戯が始まって約30分後。
つまり、現在に至る。
「篶歌」
二人しかいないこの部屋で、翁潤の発した声は少し切な気だ。
どうしよう…。
篶歌は迷っていた。
結婚なんてまだ考えられない。
だけど、国が苦難に陥っているのに、皇女である自分が何もしなくて良い訳はない。
「…わかりました。お話をお受けするよ」
短い沈黙の後、篶歌(エンカ)は苦笑気味に承諾すると、翁潤(オウジュン)はまたもや切な気に口を開いた。
「そうか、良く決意してくれたな」
翁潤は優しく笑うと、篶歌を隣へ座らせる。
言い出したのは翁潤だが、やはり気が進まなかったのだろう。篶歌の頭を撫でて抱き締める。
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