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「隋楠(ズイナン)へ嫁ぐ話は本当。でも自分で決めた事なんだ。国が苦難に陥っているのに、皇女である自分が何もしないなんて…それじゃあ何の為の皇女か分からない」
「……じゃあ一緒に行く」
李門が鼻声になりながら篶歌の腰に抱きつく。
篶歌はぽんぽん、と李門の頭を軽く叩いた。
「李門は次の斗玻王になるんだから、私についてきたらいけないじゃないか。梦玉も、父上が寂しがらない様に側にいてあげな」
翁潤は、ああ見えて自分の子供を結構溺愛している。
第一皇女だった実姉がヘガンへ嫁いだ時も、笑顔で見送っていたが、姉が斗玻を出ると、ため息をついて無言で涙を流していたものだ。
「お姉さまぁ……」
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