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「大丈夫。会おうと思えば会えるよ」
泣きながら篶歌(エンカ)に抱きついてくる梦玉と李門を宥める。
元々、梦玉と李門は実の兄弟ではない。いわゆる『お腹違い』というやつだ。
当時、斗玻王妃だった実姉と篶歌の生母、鈴蘭(リンラン)は、篶歌が4才の時に死去した。
それから三年後、新たな王妃として嫁いで来たのが、梦玉(ムギョク)と李門(リメン)の母、琥蓮(コリェン)だ。
才色兼備で知られる琥蓮は、態度も眼差しも冷たく、篶歌は琥蓮が苦手だ。
琥蓮も篶歌を良く思っていないらしく、梦玉や李門に向ける温かな眼差しを向けられた事はない。
「篶歌様」
すると、部屋に侍女が入って来た。
短い髪を揺らして、篶歌に頭を下げる。
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