664人が本棚に入れています
本棚に追加
「エルと呼べ」
「あ、うん…エル…
あのさ…忠誠って?」
首を傾げて尋ねればちょっと困ったような顔をした。
「俺はソラの使役になった訳じゃない…
召喚もされてないしな…
…妖精との契約と同じだ…好きだからソラを守る…それだけだ」
「ありがとう」
空はその言葉が嬉しくて満面の笑みをエルに向けた。
「……///
…行くぞ!」
エルにリードされ、空は森を突き進む。
見渡す限りの緑に目が眩みそうだ。
普段世界は華やかにに色付いていた。
「食べられる木の実無いかな…」
ボソッと呟き頭上を見る。
出来れば赤色の美味しそうな木の実があればいいな、と付け加える。
「はい」
突然エルが手を差し出して来たので驚いた。
苺のような実が手の平一杯にある。
「美味しそッ!
食べていいの!?」
目を輝かせて尋ねるとちょっと照れ臭そうに頷く。
「ありがとう!」
パク、と一つ摘まんで口に運ぶ。
甘酸っぱい味が口一杯に広がり、思わず口元が緩む。
「うまぁ~」
「そうか、それは良かった」
空の表情が和んでいたので、つられてエルも表情を和ませた。
「…目、痛い…」
しょぼしょぼして目が痛い、空は堪らずぐりぐりと目を擦ってしまった。
.
最初のコメントを投稿しよう!