664人が本棚に入れています
本棚に追加
エルは否定する空を見て不思議に思い首を傾げる。
「どういう事だ?」
意味が分からないといったエルは素直に疑問を投げ掛ける。
空は困惑した。
「…っお願い…
見ないで…」
深呼吸し冷静に言葉を発する。
しかし、息を詰めて強ばった声は冷静なものとは違い、必死さが伺える。
それを察してエルは身を引いた。
目を静かに伏せたエルを見て空は、ほっと安堵し後ろを向くとコンタクトをなおした。
瞬き一つし、コンタクトの調子を確かめる。
そうすると今まで張りつめていた緊張が解れた。
「……もう大丈夫
ありがとう」
エルに向き直し、エルの頬を撫でる。
すると、閉じられた瞼が上がる。
エルの綺麗な青い瞳が魅力的に光る。
「やっぱりエルの瞳は綺麗…」
僕とはまるで違う…
と、心の中で付け加えて微笑んだ。
「普通だ」
言い切りエルは強気に眉をつり上げた。
「俺なんかはまだまだだ。
精霊より妖精の方がよっぽど気高く美しいと聞く」
「へ~
妖精って虫みたいな変な羽根とか生えてるの?」
童話で見る妖精という生き物は虫のような羽根が付いている。
それを疑問に感じ、空は尋ねた。
.
最初のコメントを投稿しよう!