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「私がもし来なかったら……どうするつもりだったんですか?」
「やっ、とくに何も考えてなかったけど……実際来てくれたし」
そう言って微かに口元を緩めた。
あっ……笑った。
この人でも笑うんだ……。
って人間なんだから当たり前なんだけど!!なんか噂聞いちゃったし、顔がいつも怖いから笑わないのかと。
でもなんか……もっと笑った顔を見てみたい気がする。
「せっかく来てくれたんすけど、暗くなってきたんで今日は帰りますか」
そう言って屋根から出ると、恭介は雨の中を歩き出した。
今初めて目が合っちまった。
告白した時もずっと下を向いてたのに少しの間だけど、ちゃんと俺を見てくれた。
恭介は嬉しさで赤くなる顔を手で隠した。
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