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「ちょっ、まさか……」
いつの間にか奏の表情はシリアスになってきている。
「そう、私たちはみんな"捨てられた子"なの」
「そんな……」
何と言えばいいのか。
適切な言葉を俺の脳内辞書から探すが、全く見つからない。
結羽華は隣で、俯いて完全に黙り込んでいる。
数秒の沈黙のはずが、数分にも感じられた。
「あと、もうひとつ話すこと、あったよねっ♪ さっ、暗い話はさっさと忘れて忘れて♪」
よかった、さっきまでの奏だ。
「えっと、なんでここが、私の住まいでもあるか、だよね。あのね、あとで案内してあげるけど、この辺りの家って、全部地下で繋がってるの」
全部地下で、繋がっている……!?
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