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少年は羽根をしまうと大きく伸びをした。
「あ~疲れた。今日はもう終わり?」
「フェル、あんたこれぐらいで疲れてどうすんの…」
「正確に言うと、思いの外魔力を解放できなくて疲れた」
「はいはい…あ、そうだ」
ライナは、少年―フェルに呆れた後、ふとあることを思い出した。
光のドームの中にいる女性達のことだ。
「もう、大丈夫ですよ」
微笑みながら話しかける。
「その光の盾はもうしばらく、2人を守ってくれます。
内側からは自由に出られるので、それぞれ家に着いたら、出てください。
中から人が居なくなったら勝手に消えますから」
「分かりました。ありがとう」
ライナの説明に1人が答える。
その表情は安心しているように見えた。
「あと、明日被害報告書を魔法会に提出してください。
じゃあ、あたしはこれで……行くよ、フェル」
「はい、ありがとうございました」
女性の言葉に笑顔で返すと、ライナとフェルは闇夜を歩いていった。
「あれが妖精騎士か…」
「初めて、こんな近くで見た…」
2人はライナ達の姿が見えなくなるまで、見つめていた。
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