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「はぁ~すっきりした」
シャワーを浴び終わり、濡れた髪を乾かす。
ドライヤーの風で、オレンジ色のきれいな髪がサラサラと揺れる。
母と同じ髪の色。
父と同じ金色の瞳。
母も父も今は妖精騎士育成学校の教師をしている、優秀な魔術師だ。
2人はライナの憧れでもあり、越えなければならない壁でもある。
尊敬できない部分も多々あるが、魔術師としては“魔法会”と呼ばれる魔法機関のエリート魔術師部隊に劣らない実力を持っているのだ。
「絶対に越える…自分の親を越えるのは最低合格ライン!!」
ドライヤーの電源を切り、立ち上がると拳を握り締めた。
なにがなんでも越えてみせる。自分とフェルなら大丈夫だ。
「絶対、魔法会の魔術師部隊に入るんだから!」
気合いを入れ直し、机に向かう。
「予習復習も大切にっと」
カバンから教科書とノートを取り出し、勉強に取り掛かった。
一方フェルは……
「…うーん…もう食べきれねぇ……」
爆睡していた。
物語はまだ始まったばかり。
何が起こるか、まだ誰にも分からない……。
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