1.光の妖精騎士

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「はぁ~すっきりした」 シャワーを浴び終わり、濡れた髪を乾かす。 ドライヤーの風で、オレンジ色のきれいな髪がサラサラと揺れる。 母と同じ髪の色。 父と同じ金色の瞳。 母も父も今は妖精騎士育成学校の教師をしている、優秀な魔術師だ。 2人はライナの憧れでもあり、越えなければならない壁でもある。 尊敬できない部分も多々あるが、魔術師としては“魔法会”と呼ばれる魔法機関のエリート魔術師部隊に劣らない実力を持っているのだ。 「絶対に越える…自分の親を越えるのは最低合格ライン!!」 ドライヤーの電源を切り、立ち上がると拳を握り締めた。 なにがなんでも越えてみせる。自分とフェルなら大丈夫だ。 「絶対、魔法会の魔術師部隊に入るんだから!」 気合いを入れ直し、机に向かう。 「予習復習も大切にっと」 カバンから教科書とノートを取り出し、勉強に取り掛かった。 一方フェルは…… 「…うーん…もう食べきれねぇ……」 爆睡していた。 物語はまだ始まったばかり。 何が起こるか、まだ誰にも分からない……。
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