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「こら、フェル!!早くしなさいっ!!」
バンバンとドアを叩く。
中にいる人物は、バタバタと廊下を行ったり来たりしているようだ。
ドアを叩く音と廊下を走る音とが混ざり、朝の騒々しさを引き立たせている。
「はぁ、はぁ…準備、完了…」
「全く…ほら行くよ。毎朝、毎朝、起こす身にもなってよね」
「おい、おい、おいっ!起こされる身にもなれって!」
「いつも同じ時間に来てるのに、起きれないアンタが悪い」
フェルの言葉を軽く受け流す。
不満げな表情を浮かべるフェル。
ライナに聞こえるか聞こえないかぐらいの声で呟く。
「なんで、こんな早く行くんだよ…優等生野郎が」
バキッ…
「っだぁぁぁー!!」
ライナの蹴がフェルの膝にきれいに決まり、壁に激突する。
「余裕持って行動するのは、一般常識でしょ!
ほら、サッサと起きる」
壁に張りついたフェルに言い放ち、すたすたと去っていった。
「すみません…でした……」
力なく、呟くフェルだった。
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