6人が本棚に入れています
本棚に追加
「フェル君、ライナちゃん!」
「よぉ」
前から2人の男女が近づいてきた。
「あ、ダキュネス、ナイルア!」
「おはよーさん」
手を振って2人の方へ行く。
「相変わらず朝早いな」
何気ないナイルアの言葉にため息を吐く。
「コイツが早朝から怒鳴り散らすからな」
「あ!そんなこと言ったら…」
ダキュネスが気付いた時には時すでに遅し。
黒い物体が一直線にフェルの背中に向かった。
ドカッ
「……ふがっ!!」
フェルから聞こえる不気味な響き。
彼はきれいに弧を描き、美しく壁に激突した。
「怒鳴られるアンタが悪い」
「すみません……」
本日二度目の蹴を決め、軽く首を回す。
お気に入りのブーツに付いた埃を払うと、教室に向かった。
ライナの後ろを、ダキュネスも追う。
「朝から大変だな」
スッとフェルに手を差し出すナイルア。
「もう慣れました」
諦めたように言うと、差し出された手をつかみ、立ち上がる。
痛む背中を伸ばし、教室へと歩き始めた。
最初のコメントを投稿しよう!